「よみがえる怪獣像」展は、横網町公園内の復興記念館建物正面に掲げられた想像動物の像(怪獣像)の修復過程を丁寧に追った展示です。

昭和6年(1931年)に竣工した復興記念館は、現存する昭和初期の建築物として貴重です。東京都選定の「歴史的建造物」にも指定されており、これからも都民の財産として末永く維持していくために、平成から令和にかけて耐震改修工事や外装改修工事が行われました。
この工事の中で、長年の風雪で劣化が進み元の形が判然としない状態だった怪獣像も修復されました。唯一残された建築当時の写真や、建築家伊東忠太(※)が係わった他の怪獣像を参考に、復元したものです。
従来は、石像でしたが、建築当時の資料に、原設計はテラコッタ(焼き物)であったが施工の途中で石に変更したという記述があったため、今回の復元に当たっては、材質も原設計のテラコッタとしています。

延長後の期間は6月27日(日)までとなります。
この機会に、ぜひ、ご覧ください。なお、緊急事態宣言中は、開館時間を短縮していますのでご注意ください。(月曜日は休館)

※明治から昭和にかけて活躍した建築家、作品には震災記念堂(現:東京都慰霊堂)の他、築地本願寺、湯島聖堂などがあります。それらの建物に自らデザインした「怪獣像」を設置していたことでも有名です。一方、復興記念館自体の設計者については、現在も諸説ありますが、伊東が、復興記念館の建設主体である震災記念事業協会の顧問を務めていたことから、関与していたことは、間違いないと思われます。

1 唯一残された建築当時の「横顔」(1931年)の写真

1 唯一残された建築当時の「横顔」(1931年)

1 唯一残された建築当時の「横顔」(1931年)
2 劣化・損傷した近年の様子(2018年)の写真

2 劣化・損傷した近年の様子(2018年)

2 劣化・損傷した近年の様子(2018年)
3 原設計図面「彫刻テラコッタ」の指示の写真

3 原設計図面「彫刻テラコッタ」の指示がある。

3 原設計図面「彫刻テラコッタ」の指示がある。
4 テラコッタで復元完成した怪獣像(2020年)写真

4 テラコッタで復元完成した怪獣像(2020年)

4 テラコッタで復元完成した怪獣像(2020年)